はじめての水抜き

8月1日:お水を抜いた後

7月30日:お水を抜く前


Qは1週間くらい前から体重が徐々に増えていました。
ご飯もいっぱい食べていましたが、それだけで体重がこんなに増えるはずは無く
これはやはりお腹ののう胞が大きくなったのだと、認めざるを得ない状態でした。

病院がお休みの水曜日にそのことを強く感じていましたが
Qの様子は元気で呼吸も荒くなく
食欲もあり、「水を抜く」という処置をしていただくことを決心することは
まだできていませんでした。

水曜日の夕方、Qを掴んでお腹を見たところ
1日でかなりの大きさになっていることに驚き
木曜日は診察を受けることを決意。
お水を抜くということを恐れ避けることはもうできないと思いました。

木曜日の朝一に電話して夜の診察に入れていただき
夕方Qをかばんに入れて病院に向かいました。

待合室は患者さんがいっぱい。
すべての患者さんの診察がが終るころ、Qはなんだかお腹をもぞもぞ気にし
止まり木から降りてだるそうな状態になっていました。
その後、診察室に入った時には少し息が荒くなっていて
夕方までなんとか出ていた糞が出にくくなっていました。

エコーの写真の結果、やはりかなりの大きさにのう胞の水が増えていて
先生は「これは苦しいでしょう、糞もかなりでにくい状態になっていますね。
今日抜かなかったらまた苦しいことになりそうです。そうしますか?」
とおっしゃいました。

全くリスクの無い処置とは言え無いため同意書にサインして
すべてを先生にお任せしました。

Qは酸素室に入れていただき呼吸も楽になったところで
先生が「お母さんは待合室で待っててくださいね」。

Qは私が診察室を出るのに気づいて
「おかあさーん、置いてかないで」といっているようにバタバタしていましたが
先生が「だーーいじょーぶ、おかあさんはまってるからねー」と
赤ちゃんに話しかけるようにQをなだめてくれ、
Qも観念したようにおとなしく先生を見ていました。

待合室でハンカチを握って、じっと待ちました。

中からQのいつもの「ぎゃぎゃぎゃぎゃーー」という抵抗の声。
その後、音もしなくなり、「だいじょうぶか????」と冷や汗たらり。
しかし、無事に水が抜けたようでした。

再び呼ばれて診察室に入ると先生が
「5CCは抜けました。
そして、中のお水は血液ではなく綺麗な透明な、卵胞水でした。
炎症も出血も無く水からは癌を疑うものも見られませんでした。
今回は一番大きい部分を抜きましたが、控えている小さいのう胞が
今度は大きくなる可能性は高いので、またよく様子をみて行きましょう」
と注射器に入った液体を見せていただきました。

水を抜く処置は、中に何が入っているかは、
やってみないとわからないことなので
血液や、組織であればすぐに中止、
また抜くことによるショック死もあるということをあらかじめ聞いていたので
その透明な液体を見てほっとしました。

Qは酸素室にはいって少しボーっとしていましたが
少したつと元気に動き、力まなくても普通に糞を出すことができていました。
それには感動しました。

水を抜く前の体重は44グラム。
抜いた後 37.5グラムでした。

まだお腹に注射器を刺した穴から
ぼたぼたと「のう胞水」が垂れていました。
それを見たらとてもかわいそうで
「ぜんぶ出てしまうといいね、Qちゃん」って思いました。

垂れている水はしばらくしたら止まるとのことを聞き
お薬に今回は利尿剤をプラスしていただき
家路につきました。

帰り道、プラケースの上から覗くと、昨日まで届かなかった部分に
くちばしが届くようになり、念入りなお化粧をしている様子が見えました。

一夜明け、今朝覗くと
昨日まで団子になって御尻に付いていた糞が
下に分かれて落ちている変化に驚きました。
あの水が糞をしにくいくらいに内臓を圧迫していたんですね。

今日は利尿剤の関係で少し水糞などがあり、
また昨日の疲労があるようで、寝ている時間が長かったように思います。
しかし、お腹がすっきりしたおかげで、今日はご飯を食べるときの姿勢も楽そうでした。
お薬で水分が出ているため、今日の体重は36グラムです。

一度水を抜いた後、もう2度と溜まらない事を願っていますが
それは無理な話のようで、1ヶ月に1回は抜くというペースが予想されるとのことでした。

でも、賭けのような手術をするより、
この方法でなんとか体を楽にしてあげて、
少しでも長く元気に生きて行く道を選んだことは後悔していません。